「話す」の謙譲語 - 「お話する」? 「お話しする」?

「話す」を謙譲語にする場合、「おはなしする」といいますよね。
これを表記する時、「お話しする」なのか「お話する」なのか、送り仮名の付け方で迷うことはありませんか?
私も結構迷います。

私なりの考えとしては、文法的・形式的に正しく表記したい場合は、
お話しする
と、送り仮名の「し」を入れるのが望ましいと思います。

でも、この表記だと、例えば、「お話しします」とか「お話しした通り」のように、連用形に活用した時、「し」が二文字並んで、少し見にくい印象を私は受けます。
なので、私は、形式的には少しおかしいと思いながらも、すっきりした印象のある、「お話する」の方を使っています。

以下、それぞれの表記は、どのような意味を持つのか、少し考えてみましょう。

「お話しする」という形式の場合、これは非常に分かりやすいです。
「話す」を「お……する」という、謙譲語Ⅰを形成する一般形に当てはめたものですね。
「……」の部分に、「話す」の連用形「話し」を入れた形です。

では、「お話する」を、厳密に文法的に考えてみると、どうなるのでしょうか?
この場合、「話」は、送り仮名がないので、「話す」の連用形と考えることはできません。
ということは、「話(はなし)する」という表現について、「話」に謙譲語形成のための「お」を付けて「お話する」という形式になっていると考えられます。

でも、この「話(はなし)する」という表現、あまり自然な表現ではないですよね。
この形式を使うなら、普通は、「話をする」と、助詞を入れると思います。
あるいは、動詞で「話(はな)す」と言いますね。
まあ、つまり、「お話する」という形式は、単純に「話す」を「お話しする」にした形式から、送り仮名の「し」を省略した形式、と考える方が自然ですね。

さて、この送り仮名の省略は、正当なものとして認められるものなのでしょうか?

名詞としての「話」という言葉は「話す」という動詞から転じた名詞です。
内閣告示・内閣訓令によれば、そのような名詞の送り仮名は、基本的にはもとの語の送り仮名の付け方によって送ることになっています。
ただし、これには多数例外があり、「話」もこの例外のひとつであり、送り仮名の「し」は付けないことになっています。

でも、これは、あくまで名詞に転成した「話」の場合に限られます。
動詞の意識が残っているような使い方の場合には、送り仮名を付けます。
例えば、「組む」から転成した「組」という言葉の場合。
「花の組」、「赤の組」などの場合、送り仮名は付けませんが、「活字の組みがゆるむ」のように使う場合は、送り仮名を付けます。

詳しくは、文化庁の次のページをご覧下さい。
送り仮名の付け方 通則4

「おはなしする」の場合、これは「話す」を動詞として使っているケースだと思います。
なので、この場合は、やはり送り仮名を省略せず、「お話しする」と書くのが正しいでしょう。

ということで、結論としては、「正しい」表記を意識したい人は、「お話しする」を使えば間違いないと思います。
私は、読みやすさなどの実用性重視タイプの人間なので、やはり「お話する」を使い続けようと思います。

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