「ご存じ」「御存じ」「ご存知」「御存知」 どれが正しい?

「ごぞんじ」を漢字で表記しようとすると、タイトルに挙げたように、色々な書き方が考えられます。
どの表記を採用すべきか、迷う方も多いのではないでしょうか。
まずは、YAHOO辞書で調べてみることにしましょう。

<大辞泉>
ご‐ぞんじ【御存じ】
知っていらっしゃること。御承知。「―のとおり」「彼の住所を―の方は知らせてください」

<大辞林>
ごぞんじ2 【御存じ】
[1] 相手が知っていらっしゃること。また、世間周知のこと。
―のような有り様です
[2] 知っている人。知人。
〔補説〕 「御存知」とも書く
→(句)御存じより

これらを見て頂くと分かる通り、どちらの辞書でも、見出し語としての漢字の表記は「御存じ」となっています。
比較的知名度の高い2つの辞書で同じ表記となっているので、一応、「正しい」とされる表記は「御存じ」であるとして良いと思います。

とりあえずの結論は出ましたが、私は、これを知った上でも、今まで使っていた「ご存知」という表記が一番分かりやすく感じるので、これを使い続けるつもりです。
以下、その理由を説明します。

タイトルに4種類の表記を挙げていますが、これらは、次の2つのパターンの組み合わせです。
1. 尊敬語の接頭語を「ご」と書くか「御」と書くか。
2. 「ぞんじ」の部分を「存じ」と書くか「存知」と書くか。

1については、文化庁の公用文における漢字使用についての認識を踏まえると、「ごぞんじ」の場合は「御」を使うのが正しいことになります。
以下は、昭和56年10月1日の事務次官等会議申合せ「公用文における漢字使用等について」からの引用です。
ウ 次の接頭語は,その接頭語が付く語を漢字で書く場合は,原則として,漢字で書き,その接頭語が付く語を仮名で書く場合は,原則として,仮名で書く。
<例>
 御案内,御調査,ごあいさつ,ごべんたつ

私は「ご」とひらがなで書く方が、それに続く漢字との境界が分かりやすいと思うので、このルールを知りつつも、やはり、「ご案内」「ご調査」と書きます。
これについて、詳しくは、次の記事をご参照下さい。
「ご確認」? それとも、「御確認」?

さて、次に2の方です。
これは、言葉の成り立ちの解釈によって、次の通り分かれるのだと思います。
a. 「存じ」 - 動詞「存じる」の連用形
b. 「存知」 - 「存知(ぞんち)」の発音が訛って「ぞんじ」になったもの

辞書の表記が「ご存じ」となっているということは、成り立ちはaだとされているのでしょうかね。
これについては、詳しいところは分かりませんが、おそらく、そういうことなのでしょう。

まあ、これについては、とりあえず、どちらでも良いです。
私が「ご存知」の表記を使いたい理由は、上のbの成り立ちを信じているとか、そういった理由では全くありません。
「ご存知」は、成り立ちいかんの問題とは無関係に、ひとつの独立した単語のように認識されると思います。
その場合、「ご存じ」とひらがなで終わっているより、「ご存知」と漢字で終わっている方が、単純に座りが良いから、というだけです。

結論として、いわゆる「正しい表記」を目指す人は、「御存じ」を使うのが良いと思います。
私は、実用性において最も優れていると判断した「ご存知」を使い続けます。

さて、表記についてはこれで良いですね。
ここで、先程の成り立ちの話について、もう少し考えてみましょう。

辞書の表記から考えると、「ごぞんじ」という言葉は、先のaの形で成り立ったらしいと思われます。
でも、「ご」という接頭語が付くのは、漢語の熟語である「存知」に付く方が自然ですよね。
「存じる」という動詞の連用形なら、「お」が付いて「お存じ」になるはずです。
例えば、「考える」という動詞で同様の表現をする場合、「ご考え」ではなく「お考え」となりますよね。
そう考えると、bの成り立ちだと考える方が自然な気がするのですが……。

さらに、「存じる」に「ご」が付いて尊敬語になったと考えると、ひとつ困った問題が発生してきます。
「存じる」は「思う」の謙譲語です。
その連用形に「ご」を付けて尊敬語にするのは正しいのでしょうか?

これは、例えば、「拝見する」という謙譲語に「ご」を付けて、
お送りした書類は、もう、ご拝見いただけましたか?
といった感じで使うのと同様の、いわゆる「誤用」だということになってしまいます。

これについては、次の記事で考えてみることにしましょう。
「ごぞんじ」は、謙譲語と尊敬語の混在する誤用?

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