「作らさせて頂きます」は「さ入れ言葉」ではない?

※次の記事の続きです。
「役立たせて頂きます」は正しい表現?

前の記事で、「役立たせて頂きます」は、次のような表現にすれば正しくなる、というお話をしました。
役立てさせて頂きます
活用させて頂きます
活用致します

さて、「役立たせる」と似た言葉で、次のような動詞もあります。
役立たす
「せる」「させる」は、現代語の使役の助動詞ですが、古語では、使役の助動詞は「す」「さす」でしたね。
「役立たす」は、「役立つ」の未然形に、古語の使役の助動詞「す」が付いた形であると考えられます。

この「役立たす」を、「……させて頂く」の構文に当てはめると、次のようになります。
役立たさせて頂きます
お、この表現は「さ入れ言葉」のような響きを持っていますね。
でも、これは「役立たす」の未然形に助動詞「せる」が付いた形であり、「さ入れ言葉」ではありません。
(関連記事:【「さ入れ言葉」】)

この表現を見ると、ビストロスマップでの中居君のセリフ「作らさせて頂きます」を思い出しますね。
そう、この「作らさせて頂きます」は、いわゆる「さ入れ言葉」だと非難されることが多いわけですが、この表現をその非難から救うヒントが、ここにあります。

まずは、「役立たさせて頂きます」から見てみましょう。
これを「私が役立ちますよ」の意味で使う場合、それは「さ入れ言葉」になります。
でも、前の記事のドラゴン桜の例のように、寄付金の用途について「私が役立たせます」の意味で使う場合、これは「さ入れ言葉」ではありません。
分解すると、
「役立たす」+「せる」+「て頂く」
という形になり、五段活用動詞+「せる」なので問題ありません。

これと同様に「作らさせて頂きます」を見てみましょう。
これを、「私が作ります」の意味で使えば、確かに「さ入れ言葉」です。
でも、実際、作るのは中居君ではなく、他のメンバーなので、中居君は「作らす」立場です。
そう考えれば、これは、
「作らす」+「せる」+「て頂く」
であり、問題ない、ということになります。

表にまとめると、次の通りです。
表現動詞
(未然形)
使役の
助動詞
て頂く私がすること
(動詞の終止形)
さ入れ言葉
役立たさせて頂きます役立たさせて頂く役立つ
役立たさせて頂きます役立たさて頂く役立たす×
作らさせて頂きます作らさせて頂く作る
作らさせて頂きます作らさて頂く作らす×

と、弁護はしてみたものの、やはりこれらの表現は誤解を生みやすいので、なるべく避けるべきでしょうね。
基本的に、使役の意味を持つ動詞を、さらに「……させて頂く」の形式にすると、使役が二重になり、意味が分かりづらくなるので、使わない方が良いでしょう。

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