何と何の組み合わせ? 「離着陸」「輸出入」「歓送迎」「統廃合」

タイトルに挙げたような言葉って、面白いですよね。
私は、こんな単語を見ると、数学の因数分解を思い出します。
「数学」と聞いただけで読むのをやめたくなる人もいるかもしれませんが、大丈夫、簡単な話です。

因数分解というと、例えば、
x^2 - y^2 = (x + y)(x - y)
のようなものを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ここで話すのは、単に各項に共通する因数でくくる話です。

例えば、次のような数式があるとします。
ax + bx
これを、両方の項に共通する x という因数でくくると、
(a + b)x
となりますね。これの話です。

例えば、「離着陸」という言葉がこの成り立ちですね。
この言葉、元々は、
離陸+着陸
という2つの言葉です。
これを、各項に共通する「陸」でくくって、
(離+着)陸
となります。カッコやプラスを除外すれば、
離着陸
の出来上がりです。

これと同様に、
ax + ay = a(x + y)
の形式の言葉もありますね。
例えば、
輸出+輸入=輸(出+入)=輸出入
というのがそれに当たります。

こういった構成で成り立っている言葉は、他にも色々あります。
入退室=(入+退)室
入出金=(入+出)金
出入口=(出+入)口
流出入=流(出+入)

だいたいの言葉は、分解方法が明確ですが、分解方法が間違われることのある例として、次の言葉があります。
歓送迎
これを、
歓迎+送迎
の組み合わせだと勘違いする人を結構見かけます。

でも、ちょっと考えると、これが明らかにおかしいことは、すぐに分かりますよね。
「歓迎」は正しいのですが、「送迎」は「送」+「迎」と、既に対義語が組み合わされているので、「歓迎」と対になりません。
正しい分割は、
歓送+歓迎
ですね。

「歓送」という言葉はあまり耳に馴染みのない言葉ですが、辞書にも載っています。
以下は「大辞泉」の定義です。
かん‐そう【歓送】
[名](スル)その人の出発を喜び、励まして送ること。「―会」 「あの空地で―されて行った青年の幾人かを知っていた」〈秋声・縮図〉◆ 「歓迎」に対して造られた語。
最後の補足説明が、ちょっと気になりますね。
「歓迎」という言葉ときれいに対をなす言葉として「歓送」という言葉が造られた、ということなのでしょうか。

まあ、確かに、迎える人がいない、送るだけの会を表現する時に、「歓送会」という言葉はあまり使わないかもしれませんね。
「送別会」の方が一般的であるように思われます。
「歓び送る」というよりも、「送り別れる」という、ちょっと淋しい雰囲気を持った言葉の方がウケが良い、ということでしょう。

さて、タイトルの最後に挙げた「統廃合」。
この言葉も、一見、上記の例のひとつのように見えるのですが、次のどちらの方針で考えても、しっくり来ません。
統廃合=(統+廃)合=統合+廃合
統廃合=統(廃+合)=統廃+統合
そもそも、「統」と「合」が似たような意味の漢字なので、2対1で「廃」の負けが明らかです。
これでは、どうしたって、公平な分割はなさそうですよね。

ところが、「大辞泉」を調べると、次のように定義してありました。
とうはい‐ごう【統廃合】
[名](スル)統合と廃合。組織などを廃止したり合併・統合したりすること。「少子化に伴い、小中学校の―が進む」
ほう、つまり、
統廃合=(統+廃)合=統合+廃合
ということですか?

でも、「廃合」とは、あまり耳慣れない言葉ですね。
これも調べてみました。
はい‐ごう【廃合】
[名](スル)廃止することと合併すること。「営業所を―する」

なるほど、これを整理すると、次のようになります。
① 統廃合=(統+廃)合=統合+廃合
② 廃合=「廃」止+「合」併
これら2式より、
③ 統廃合=統合+廃止+合併
ということになります。

まあ、この③の数式を見れば、単純に、統合・廃止・合併の頭文字を取って並べた形式、とも考えられます。
④ 統廃合=「統」合+「廃」止+「合」併
因数分解的な成り立ちで考えるにしても、「統合」と「廃合」は対等ではありません。
「廃合」は、既に「廃止」と「合併」の組み合わせで成り立っていますからね。

どちらにしても、やはりこの単語は、上の方で見てきた例とは、ちょっと成り立ちの違う言葉だということですね。

広告

カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
Amazon 検索
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

関連サイト
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR