「分かった」の敬語 その2 (「了解いたしました」「了承いたしました」「うけたまわりました」)

「分かった」の敬語 その1 (「分かりました」「承知しました」「了解しました」「了承しました」)】の続きです。

とりあえず、候補として以下の表現が残りました。
かしこまりました。
うけたまわりました。
承知いたしました。
了解いたしました。
了承いたしました。

まず、それぞれの意味や使われ方として、問題のありそうなものを見てみます。

了解いたしました。
この表現は、結構良く見かけます。
「あなたの言うことを良く理解したよ」という気持ちを表明する意味では、かなり適切な熟語である気がします。
でも、あまり好まない人も多いですよね。
「軍隊用語っぽい」「くだけた感じがする」など、批判的な感情を持つ人が結構います。
不快に思う人がいるのなら、なるべく避けておいた方が良いですよね。

了承いたしました。
これは、実際にはあまり見かけない気がします。
「了承」というのは、どちらかというと、次のように、相手の行動に使うことが多い感じがしますよね。
どうか、ご了承ください。
ご了承いただきまして、ありがとうございます。
このように使われるケースが多いためか、「了承」という言葉には、「まあ認めてやる」といった、どこか上から目線の雰囲気が漂います。

もっとも、「了承」は、相手に対して使う表現も、ふさわしくないと批判する人もいます。
「その1」でも触れましたが、「承」という、謙譲語の意味を持つ漢字が含まれていますからね。
なので、この熟語は、相手の行為にも、自分の行為にも、なるべく使わない方が無難なのかもしれません。
あれ、じゃあ、「了承」って、どこでも使えなくなっちゃいますね。
まあ、社内で完結する話ならば、「客に了承してもらった」のように使えますかね。

うけたまわりました。
この表現は、敬語として問題ないですよね。
ただ、「分かった」と相手に伝えたい、あらゆる状況で使えるかというと、ちょっと難しい気がします。

「うけたまわる」を大辞林で調べると、以下のように説明されています。
(1)「聞く」の謙譲語。
(ア)(目上の人の言葉を)つつしんで聞く。拝聴する。
「御意見を ・る」
(イ)(目上の人の様子を)伝え聞く。
「 ・るところによりますと」
(2)「引き受ける」「承諾する」の謙譲語。(目上の人の命令や頼みを)引き受ける。
「御用命を ・る」
「委細 ・りました」
(3)「受ける」の謙譲語。お受けする。いただく。
「かしこき仰せ言をたびたび ・りながら/源氏(桐壺)」
「分かった」の意味で使う時の語義としては、(2)の「引き受ける」とか「承諾する」が該当すると思います。

なので、相手の言ったことを「よっしゃ、引き受けたよ」という意味合いで使う場合は良いのですが、「OK、理解したよ」という意味合いで使うと、少し不自然な感じがしてしまいます。
つまり、
自分: 明日までにお送りいただけますか?
相手: はい、うけたまわりました。
といったやり取りは自然ですが、
自分: では、明日の10時に伺います。
相手: はい、うけたまわりました。
と言われたら、少し違和感を覚えるのではないでしょうか?
「いや、別にあなたに何かをしてもらうことを頼んだわけじゃないんだけど……」と思ってしまいそうです。
まあ、「相手を10時に待つ」ということを承諾したわけではありますが……それはちょっと無理がありますよね。

これが、
自分: では、明日の10時に伺うと、○○さんにお伝えいただけますか。
相手: はい、うけたまわりました。
であれば、伝えることを承諾したので、違和感はなくなります。

ということで、最終的に、比較的あらゆる場面で「分かった」を謙譲語にした形として、問題なく、便利に使えそうな表現としては、以下2点が残ることになるわけです。
かしこまりました。
承知いたしました。
これらの表現なら、上述の例のどれについて使っても違和感はないですね。

では、これら2つの敬語は、どちらも同じようなものと考えて良いのでしょうか?
敬語の構造として考えると、これら2つの表現には違いがあります。
次の記事では、これら2つの敬語としての違いを考えてみましょう。

「分かった」の敬語 その3 (「かしこまりました」「承知いたしました」)】に続く。

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