「濃い」「濃いい」「濃ゆい」

主に、西日本で広く使われる言葉だと思うのですが、いわゆる「標準語」といわれる言葉での「濃い」という単語について、「濃いい」とか「濃ゆい」という単語があります。
耳慣れない言葉を嫌う人は、こういう単語にも嫌悪感を示すようですね。

私は、東京生まれで、どっぷり標準語に浸かって生きてきたので、自分発信で「濃いい」とか「濃ゆい」という単語を使うことはありません。
でも、私は、これらの単語が嫌いではありません。
いや、それどころか、これらの単語は、非常に理にかなった、良い言葉だと思うのです。

まず、いわゆる「標準語」の「濃い」という単語。
これは「こ」という一文字を語幹とする形容詞、ということになります。
この「語幹一文字の形容詞」というのは、かなり面倒な代物です。

私がこの形容詞に違和感を覚えた最初のきっかけは、「濃いめ」という言葉です。
この言葉、なんかおかしくないですか?

この「め」という単語は、形容詞の語幹に接続して、ものの状態が、その形容詞側に寄っていることを示します。
早め
遅め
強め
弱め

そのルールに従えば、
濃め
薄め
になるはずですよね?
なのに、なぜ、「濃い」という形容詞に限って「濃いめ」と、語幹でなく終止形に接続するのでしょうか?
「それは、語幹が一文字の場合は、終止形に接続する、という例外規則があって……」ということなのかな?

でも、同じく形容詞の語幹に接続して、その形容詞の程度を表す「さ」の場合、例外なく、語幹に接続します。
早さ
遅さ
強さ
弱さ
濃さ
薄さ

語幹は二文字以上の形容詞では、「め」と「さ」に接続する時の揺らぎは発生せず、どちらも一貫して語幹に接続します。
語幹が一文字の形容詞、というのが不自然なため、このように揺らぎが発生するのでしょう。
語幹は二文字以上あるのが、形容詞の自然な姿なのではないかと思います。

語幹が一文字の形容詞は、他に、以下のようなものがあります。
よい
ない
これらは使用頻度の非常に高い汎用的な単語なので、短い方が使い勝手が良いため、短くなっているのでしょうね、きっと。

でも、私は、これらも、本当は語幹を二文字にした方が自然なのではないかと思っています。
特に、助動詞として使われる「ない」に、助動詞「そうだ」を接続する時の揺らぎも、語幹を「ない」にして、「ないそう」と表現するようにすれば、揺らぎはなくなると思います。
でも、こうすると、終止形は「ないい」になるので、かなり会話のリズムが崩れますよね。
なので、これは実現しそうにないです。
(助動詞「そうだ」については、【「なそう」と「なさそう」】もご参考下さい)

というわけで、私は、自分ではなかなか使いこなせませんが、「濃いい」や「濃ゆい」は大いに使われて欲しいと思う言葉です。
そして、ゆくゆくは、標準語の「濃い」を置き替えてもらえないだろうか、と期待を寄せています。

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