言葉の乱れ?

「言葉の乱れ」という表現があります。
本来の使い方と異なる言葉の使い方がされていると、これが「言葉の乱れ」とされ、多くの人がそれを非難します。

でも、私は、この「乱れ」という言い回しが、どうも好きになれません。
言葉って、生き物だと思うんですよ。それは、時代と共に変化する宿命にあるものです。
だから、それって、「言葉の乱れ」ではなくて、単に「言葉の変化」と表現すべきだと思うのです。

例えば、比較的近い時代での大きな言葉の変化といえば、「言文一致」があると思います。
まあ、「近い時代」と言っても、明治時代から戦後くらいまでの話ですけどね。
これって、今風に言ったら、とてつもない「言葉の乱れ」ですよね。
最初の頃は、きっと、ものすごい反発だったと思います。

ところが、今はすっかり言文一致が当たり前になっています。
今、例えばビジネス文書を文語体で書いたりしたら、「ふざけてるんですか?」って話になりますよね。
「勝てば官軍負ければ賊軍」ということですね。

マンガ『ワンピース』の巻57の第556話にも、この「勝てば官軍」的な発言があります。
「ドフラミンゴ」というキャラクターのセリフ。
海賊が悪!!? 海軍が正義!!?
そんなものはいくらでも塗り替えられて来た…!!!
(中略)
正義は勝って!? そりゃあそうだろ
勝者だけが 正義だ!!!!

うん、その通り。
もっとも、この発言の主は、主人公の「ルフィ」とは敵対関係にある人物なので、この後の展開でこの発言がくつがえされることになるのかもしれません。
でも、私には、この発言はかなり真理をついた言葉だと思えるのです。
「正しい」とか「善」という概念って、結局、「その時代の大多数に支持されている」というだけのことだと思うのです。
そして、その判断基準は、時代と共に移り変わるもの。

最初の方で、「言葉は生き物」って書きましたが、生物の世界も、まさにそうなんですよね。
ある時、ある種において、それまでの同種の生物と大きく異なる個体が突然変異により発生します。
突然変異した個体は、ほとんどの場合、生き残るのに不利であり、子孫を残さずに姿を消します。
それが種内に定着することによって、その性質が、その種の標準として置き換わります。
つまり、その種にとっての「正義」となるわけですね。

でも……こうやって生物進化のことを考えてみると、やっぱり「言葉の乱れ」という表現は、されて然りなのかな、と思います。
突然変異した個体は、最初は、その種の中で異端児なわけです。
最初の頃は、「何、あいつ。なんか変じゃね?」と、いつも後ろ指をさされるわけです。
それを乗り越えてなお、生き残りのチャンスが大きければ、その性質は生き残る。

でも、やっぱり私は「言葉の乱れ」という表現が好きにはなれないですね。
「言葉の乱れ」と指摘されるようになるということは、もうすでに相当数の人の間で定着している言葉なわけです。
それだけ定着している言葉は、おそらくそのまま使われ続けることになる気がします。
それを今さら「誤り」とするのが、順応性に欠けるというか、往生際が悪いというか……。

いや、でも、言葉に対する姿勢は人それぞれですよね。
この表現を否定することは、逆に私に順応性がないことを証明することになってしまうので、そんな風に考えるのはやめようと思います。
最終的に、より多くの人が認めれば「正しい」、より多くの人が非難すれば「誤り」ということですね。

広告

カテゴリ
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブログ内検索
Amazon 検索
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

関連サイト
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR